After Effectsでプロジェクトを開いたとき、レイヤーのラベルカラーが人によってバラバラで、どこに何があるのか一目でわからなかった経験はないだろうか。テキスト、静止画、音声、ネストされたコンポジション……。本来であれば色を見ただけで種類が判別できるはずのラベルカラーも、各自が自分好みの配色で運用していると、他人が引き継いだ瞬間に「ただの飾り」になってしまう。
この記事では、レイヤーの種類を自動判定し、ワンクリックで標準のラベルカラーに一括初期化できる無料のAfter Effects用スクリプトと、その導入・使用方法を解説する。
この記事でわかること
- レイヤーのラベルカラーが崩れる原因
- レイヤー種類ごとの自動判定ルール(色の対応表)
- スクリプトの導入手順(3ステップ)
- ロックされたレイヤーやUndo対応など、実務で使う上でのポイント
ラベルカラーが人によってバラバラになる理由
After Effectsのラベルカラーは、レイヤーを選択して右クリック→「ラベル」から自由に変更できる。作業者ごとに「自分が見やすい色」で管理すること自体は悪いことではないが、次のようなケースで問題になる。
- 他のメンバーが途中から作業を引き継ぐとき
- 外部から納品されたプロジェクトファイルを開くとき
- 過去の自分のプロジェクトを久しぶりに開くとき
色分けの基準がバラバラだと、タイムラインを見てもレイヤーの種類が瞬時に判別できず、結局レイヤー名や中身を一つずつ確認することになる。地味だが、積み重なると無視できない時間ロスになる作業だ。
レイヤー種類ごとの自動判定ルール
紹介するスクリプト「AutoLabelColor.jsx」は、以下のルールでレイヤーの種類を自動判定し、対応するラベルカラーを一括設定する。
| レイヤーの種類 | 設定されるラベルカラー |
|---|---|
| テキストレイヤー | レッド |
| シェイプレイヤー | パープル |
| カメラレイヤー | ピンク |
| ライトレイヤー | ピーチ |
| 調整レイヤー | ラベンダー |
| ヌルレイヤー | オレンジ |
| ネストされたコンポジション | サンドストーン |
| 平面(ソリッド) | なし |
| 音声のみのレイヤー | グリーン |
| 静止画(PNG・JPG・PSDなど) | ラベンダー |
| 動画・連番素材 | アクア |
この対応関係はスクリプト内で固定されているが、色の好みが違う場合は後述の方法でカスタマイズもできる。
導入手順
1. スクリプトを保存する
入手した「AutoLabelColor.jsx」を、以下のフォルダに保存する。
Mac: /Applications/Adobe After Effects [バージョン]/Scripts/ScriptUI Panels/
2. After Effectsを再起動する
すでに起動している場合は、一度終了してから起動し直す。
3. パネルを開いて実行する
上部メニューの「ウィンドウ」の一番下に追加された「AutoLabelColor.jsx」をクリックするとパネルが開く。好きな場所にドッキングしておけば、次回以降すぐ使える。パネル内のボタンは2種類。
- アクティブCompのみ再配色:今開いているコンポジションだけを処理
- 全Compを一括再配色:プロジェクト内のすべてのコンポジションをまとめて処理
実務で使う上でのポイント
- ロックされたレイヤーも処理される:内部で一時的にロックを解除してから再設定し、処理後は元のロック状態に戻すため、ロック中のレイヤーがあってもエラーで止まらない。
- Undo(取り消し)に対応:実行前後の状態は1つのアンドゥグループにまとまっているため、Ctrl+Z(Mac: Cmd+Z)一回で実行前の状態に戻せる。
- 配色はカスタマイズ可能:スクリプト内のラベル番号を変更すれば、自分やチームの好みの配色に調整できる。
よくある質問
Q. ロックしたレイヤーも巻き込まれますか?
A. 一時的にロックを解除して処理したあと、自動的に元のロック状態に戻すため、ロックを外し忘れる心配はない。
Q. 色の組み合わせを自分好みに変えられますか?
A. 変えられる。スクリプト内のラベル番号(0〜16)を書き換えるだけなので、AIツールにスクリプトの中身を渡してカスタマイズを依頼することもできる。
Q. 実行した内容は元に戻せますか?
A. 戻せる。処理全体が1つのUndoグループとして記録されるため、通常のショートカット一回で実行前の状態に戻る。
Q. アクティブなCompだけ処理することもできますか?
A. できる。「アクティブCompのみ再配色」ボタンを使えば、今開いているコンポジションだけを対象にできる。プロジェクト全体を対象にしたい場合は「全Compを一括再配色」を使う。
まとめ
ラベルカラーの乱れは些細に見えて、複数人での作業や引き継ぎが発生するプロジェクトほど地味に効いてくる問題だ。今回紹介したスクリプトを使えば、普段は自分の好きな配色で作業しながら、必要なタイミングでワンクリックで標準状態に戻せる。個人の作業効率とチームでの一貫性を、どちらも諦めずに両立させる一つの解決策として、ぜひ試してみてほしい。