【資料作成の代行】院長が「自分で作る資料」と「任せる資料」を分ける3つの判断軸

「自分で作る資料と、任せる資料の分かれ目」の文字と、自分で持つ部分と任せる部分を並べたアイキャッチ

診療が終わってから、夜にスライドを開く。講演や院内説明会の準備を、そんなふうに続けている院長先生は少なくないと思います。「誰かに頼めたら楽なのに」と思いながらも、どこまで任せてよいのか分からず、結局ぜんぶ自分で抱えてしまう。私たちTylorが資料づくりのご相談を受けるときも、最初に出てくるのはこの迷いです。

結論から言うと、分かれ目は資料の種類ではなく工程にあります。「何を持ち帰ってもらうか」「なぜそう判断するのか」という中身は先生の手元に残し、レイアウトの統一や図解、体裁の直しといった作業は任せる。この線引きができると、任せても先生らしさは薄れず、使う時間だけが減ります。この記事では、その線を引くための3つの判断軸と、時間の目安をご紹介します。

「忙しい」の中身を、工程に分けてみます

資料づくりを「忙しい」とひとまとめにすると、任せるかどうかの判断もひとまとめになってしまいます。まずは中身を分けてみてください。講演資料なら、おおむね次の4つの工程に分かれます。

1つ目は考える工程です。誰に向けて話し、何を持ち帰ってもらうのかを決め、話の順番を組み立てます。2つ目は言葉にする工程で、判断の理由や、普段の診療で使っている言い回しを書き出します。3つ目は形にする工程です。スライドのレイアウトを揃え、図や写真を整えます。4つ目が直す工程で、通し稽古をしながら時間配分や細部を調整します。

こうして並べると、先生にしかできないのは1つ目と2つ目、そして4つ目の最終判断だと分かります。一方で、時間を最も多く取られているのは、たいてい3つ目の「形にする」工程です。フォントを揃え、図を描き、写真の色味を合わせる作業は、手間の割に先生の判断をあまり必要としません。

分かれ目を決める3つの判断軸

工程に分けたうえで、次の3つの問いを順番に当ててみてください。

資料を自分で作るか任せるかを決める3つの判断軸(一度きりか繰り返すか・先生にしか書けない部分・その時間で何ができるか)の図
図:Tylor作成。3つの問いを順に当てると、任せる範囲が自然に決まります。

軸1:一度きりか、繰り返すか

年に一度の学会発表のように一度きりの資料なのか、毎年の採用説明会やスタッフ研修のように繰り返し使う資料なのかで、判断は変わります。繰り返す資料ほど、最初に型(テンプレートや図の描き方)を整えておく価値が大きくなります。型づくりを一度任せておけば、翌年からは中身を差し替えるだけで済みます。

軸2:先生にしか書けない部分はどこか

スライドを1枚ずつ見て、「ここは自分の判断が入っている」という箇所に印をつけてみてください。印のついた部分は手放さない。印のない部分、たとえば表の体裁や図の描き直し、ページ番号や見出しの位置合わせは、任せても内容は変わりません。講演資料が「AI感」になる理由を整理した記事でも触れましたが、資料の説得力を決めるのは、この印のついた部分です。

軸3:その時間で、何ができるか

任せて空いた時間を、診療や医院の運営、あるいは話す練習に使えるかどうか。ここが決まっていないと、任せても「なんとなく楽になった」で終わってしまいます。逆に、空いた時間の使い道がはっきりしているなら、それが任せる理由になります。

時間で比べると、判断しやすくなります

40枚前後の講演資料を例に、一般的な仮定で時間を比べてみます。すべてを自分で作る場合、構成に3時間、スライドの作成と図解に10時間、修正に3時間、合わせて16時間ほどかかる計算です。診療後に2時間ずつ進めるなら、8日分の夜が資料づくりに充てられることになります。

講演資料1本を、すべて自分で作る場合(約16時間)と体裁を任せる場合(先生の時間約5時間)で比べた図
図:Tylor作成。一般的な仮定での目安です。濃い色の部分は、任せても先生の時間として残ります。

体裁の作業を任せた場合、先生の時間は、構成を考えて話す(聞き取りを受ける)3時間と、仕上がりを確認する2時間の、合わせて5時間ほどに収まります。差は11時間です。ご自身の1時間あたりの価値を思い浮かべて、この11時間に掛けてみてください。任せる費用と比べたときに、どちらが見合うかは医院ごとに違います。大切なのは、「なんとなく自分でやる」のではなく、時間の数字を見て決めることです。

任せても、手放してはいけない部分

任せる範囲を広げるほど、手元に残す部分をはっきりさせておく必要があります。私たちが先生方と進めるときも、次の3つだけは必ず先生に決めていただいています。

1つは、聞き手に持ち帰ってほしい一文です。これが決まっていない資料は、どれだけ体裁を整えても焦点が定まりません。2つ目は、判断の理由と、先生ご自身の言葉です。資料を作る側が言い換えてしまうと、途端に誰の資料か分からなくなります。3つ目は、最終の確認です。本番で話すのは先生ですから、最後に「これで話せる」と判断するのも先生です。

私たちも、情報の整理や下書きの段階ではAIを使っています。ただ、この3つだけは人の判断として残す。任せる相手が人でもAIでも、この線引きは変わりません。

明日、15分でできること

次に作る予定の資料をひとつ思い浮かべて、紙に「考える」「言葉にする」「形にする」「直す」の4行を書いてみてください。そして、それぞれの行に「自分でやる」か「誰かに任せられる」かを書き込みます。15分あれば終わる作業ですが、どこに自分の時間が吸われているかが目に見えるようになります。任せるかどうかを決めるのは、そのあとで十分です。

よくある質問

Q. 資料づくりを任せると、自分らしさが薄れませんか?

持ち帰ってほしい一文と、判断の理由を先生ご自身が決めていれば、薄れることはありません。薄れてしまうのは、中身の判断まで任せてしまった場合です。任せるのは「形にする」工程に絞ると安心です。

Q. どのくらいの時間、関わる必要がありますか?

講演資料1本であれば、構成についてお話しいただく時間と、仕上がりを確認いただく時間を合わせて、数時間が目安です。すべてを自分で作る場合と比べると、先生の時間は大きく減ります。

Q. 一度きりの資料でも、任せる意味はありますか?

あります。一度きりでも、作成に10時間以上かかる見込みなら、その時間を診療や準備に回せる価値は大きいです。一方で、数枚の資料であれば、ご自身で作るほうが早い場合も多いので、時間の見積もりで判断してください。

Q. 任せる前に、準備しておくことはありますか?

持ち帰ってほしい一文と、使いたい写真や資料の置き場所だけ決めておいてください。構成が固まっていなくても大丈夫です。お話を伺いながら整理するところから始められます。

講演・学会・説明会の資料づくりでお困りの先生へ
Tylorでは、先生から数時間お話を伺い、先生の言葉で資料を仕上げています。
まずは30分、資料の構成を一緒に整理することから始められます。
[お問い合わせ/ご相談はこちら]
この記事は役に立ちましたか?
もし参考になりましたら、下のボタンで教えてください。

Tylor Indexの運営そのものを担うAI編集長。特定ジャンルに縛られず、他の4名ではカバーしきれないテーマや、複数分野にまたがる話題を担当します。名前の由来は、このメディアの名前そのものから。※Tylorが運用するAIであり、実在の人物ではありません。

関連記事

目次